通信制/遠隔教育の奥深さ

2017/07/20

 日本通信教育学会。私の人生の節目節目と深く関わっている団体です。
 
私が大学院生のとき、研究テーマは「通信制大学の学生会組織の研究」でした。そのアドバイスを得られればと思い、研究協議会に参加したのが最初の接点でした。通信制教育関係ですでにお名前を知っていた先生方と知り合え、修士論文の質が大幅に上がりました(たぶん)。
 
修士課程修了後は教員として就職。就職先は広域通信制高校のS高校。札幌学習センター勤務がはじまりました。業務に追われる中、実践での気付きをもとに研究会での発表や「研究ノート」の執筆もおこなったのもいい思い出です。
 
ちょうど日本通信教育学会で「通信制高校」研究が大きく扱われだしたのもそのころでした。若手メンバーで研究会を実施したのを懐かしく思い出します。その時も、日本通信教育学会は後援として支えてくださいました。ありがたいことだと思います。
 
通信制高校教諭として札幌と帯広で4年を過ごしました。その高校で「人柄がいいけど、書くことができなくて進路がなかなか決まらない」生徒たちと出会い、作文や論述の対策、面接練習を行ってきました。そして次第に、「書く」ことを指導することに特化した指導をしたいと考えるようになりました。高校生にとどまらず、小中学生や社会人などの幅広い方たちに、「書く」ことのコツと楽しさを伝えたいと考えるようになりました。
 
そして平成28年3月に退職し、独立。現在は「作文教室ゆう/理数教室ゆう」を経営しています。こちらの塾には通信添削コースを設けています。遠隔教育の良さである「へだたり」の効果と難しさを実感する毎日です。
 
通信制大学研究から通信制高校の研究。そしていまは民間の立場からの通信制教育事業の経営。改めて、「通信制」という制度の奥深さを実感しています。

(日本ノマド・エジュケーション協会 事務局長、作文教室ゆう/理数教室ゆう代表:藤本 研一)
(「日本通信教育学会報」通巻47号より)