通信課程へお礼

2021/12/23

 私は20203月に学校法人明星学苑を定年退職しました。これを機会に、過去の整理を行い、これをまとめて通信教育制度研究会(鈴木克夫氏主幹)に、2021424日にZOOMを利用して発表しました。そのタイトルが「学生に育てられた私 明星大学通信教育部と歩んだ20年」でした。私は大学での勤務の前半の20年間を通信教育課程に所属していました。この仕事が張り合いがあり、学生とのこの20年が私をつくりました。というより、学生が私を上手に使っていたのかもしれません。私は学生のためにと考え、サービスを試みてきましたが、常にそのために問題が生じ、仲間に助けられながらの繰り返しでありました。その学生や仲間に、そして通信教育課程に、お礼、お返しをしたいと、改めて思い、日本通信教育学会に入会しました。お礼にはならず、迷惑であろうが、今後、何かした発信したいと考えています。
 その思いは、通信教育制度研究会の発表で、課題として残しました。大学通信教育は、どうあるべきなのだろう。課題を羅列してみると、以下の通りです。「いつでも、どこでも、だれでも」は、まだ存在するのか。extensionでよいのか。制度なのか、授業方法なのか。サービスと価格の矛盾、学習していない学生で成立している組織で良いのか。添削と質問対応の脆弱であってよいのか。経済的に通学できない人のための大学になっているのか。教科書は授業料ではないのか。テキストは冊子であるべきなのか。古い課題であり、言い尽くされているのでしょうが、今後に確認をさせていただきたいと考えています。
株式会社明星大学出版部 名取 淳
(「日本通信教育学会報」通巻57号より)