記事一覧

高校の恩師と国鉄の通信教育

2017/07/20 会員の声

 私は高校一年の時に数学で0点をとったことがある。いつも、進学校で教えるのがオレのあるべき姿だとほざく男を私は嫌いだったが、二年になると浜松西高から来た先生が数学を受け持つことになった。先生は私たち低空飛行組を無視することはなく、授業も親切丁寧で分かり易かった。話の最後に「ダイネ」をつける癖が面白く、正の字を書いて数えたこともあったがすぐに百を超えてしまうのでつまらなくなってやめた。 その時は兄が国鉄通信教育の応用数学第2分冊を始めたばかりであった。第1分冊の報告課題は自力でやっていたが、商高卒業の兄は第2分冊の問題が難し過ぎて手が出なかった。先生に解き方を教えて貰おうと職員室へ行くと、先生は「説明してもまだお前には分からんからパンでも食べながら横で見てるダイネ」と言ってパンと牛乳をくれた。突然見せられたのに目の前で苦もなく解いてくれた報告課題は、名古屋鉄道教習所から返送される度に満...

高校の不登校生徒に対するICTの活用

2017/07/20 会員の声

 文部科学省から発出された平成28年9月14日付け28文科初第770号「不登校児童生徒への支援の在り方について」の記2 (4) には、次のような規定があります。「義務教育段階の不登校児童生徒が自宅においてICT等を活用した学習活動を行った場合の指導要録上の出欠の取扱いについては、平成17年7月6日付け17文科初第437号『不登校児童生徒が自宅においてIT等を活用した学習活動を行った場合の指導要録上の出欠の取扱い等について』によるものとすること。」この規定からは、義務教育段階にない高校の不登校生徒に対しては、「17文科初第437号」が適用できないようにも読み取れます。 実際、ある国会議員の質問主意書に対する、内閣総理大臣の平成28年8月15日付け参議院議長あて答弁書「内閣参質191第9号」の「四の2について」でも、「17文科初第437号」による出席扱いは義務教育段階を対象としたものである、...

通信制/遠隔教育の奥深さ

2017/07/20 会員の声

 日本通信教育学会。私の人生の節目節目と深く関わっている団体です。 私が大学院生のとき、研究テーマは「通信制大学の学生会組織の研究」でした。そのアドバイスを得られればと思い、研究協議会に参加したのが最初の接点でした。通信制教育関係ですでにお名前を知っていた先生方と知り合え、修士論文の質が大幅に上がりました(たぶん)。 修士課程修了後は教員として就職。就職先は広域通信制高校のS高校。札幌学習センター勤務がはじまりました。業務に追われる中、実践での気付きをもとに研究会での発表や「研究ノート」の執筆もおこなったのもいい思い出です。 ちょうど日本通信教育学会で「通信制高校」研究が大きく扱われだしたのもそのころでした。若手メンバーで研究会を実施したのを懐かしく思い出します。その時も、日本通信教育学会は後援として支えてくださいました。ありがたいことだと思います。 通信制高校教諭として札幌と帯広で...

通信制の教育方法は「柔軟」でない

2017/07/20 会員の声

 全国の公立通信制と一部の私立通信制で構成される全国高等学校通信制教育研究会(全通研)は、平成28年1月25日『通信制高等学校の適正化を求める声明―通信制高等学校における教育の充実・発展のために』と題する声明を発表した。 よく通信制の教育方法について、通信制では全日制・定時制よりも「柔軟」(フレキシブル)に教育を実施できると主張されることがある。しかし、通信制の教育方法については、通信制専用の文部省令である高等学校通信教育規程に、全日制・定時制にはない規制があるほか、さらに高等学校学習指導要領でも、1単位あたりの添削指導・面接指導の回数・時間数など、全日制・定時制の「授業」よりも格段に細密な規制をおこなっている。 学校教育法施行規則では、全ての高校に共通の規定のうち一部の条項に限って、通信制に「適用しない」と規定している(第101条第2項)。この規定によって通信制に適用が除外される条...

通信制大学における「三重学籍」実践のご報告

2017/07/20 会員の声

 2013年11月16日開催の第61回研究協議会における「社会人の学びの場としての通信制大学院を考える」でパネリストとして招聘された際、「現在、短大、大学、大学院の三重学籍を実践中」とご報告させていただきました。結果として、2015年3月21日に通信制の「自由が丘産能短期大学」「放送大学」「放送大学大学院」から3つの学位記を受け取ることができましたのでご報告いたします。 もともとは、「たとえ通信制であったとしても、大学なんて忙しいから無理だよ!」って声に対抗するつもりで3つの教育機関に在籍してみたのですが、わずか2年間で3つの学位記を受け取ることができました。私なりに「限界に挑戦」してみたつもりですが、やればできることが判明しました。 「二重学籍禁止じゃないの?」と言われそうですが、法令上は禁止事項ではなく、各教育機関に確認及び許可を戴き、挑戦することができました。無論、正面から立ち...

特別支援学校高等部の通信教育

2017/07/20 会員の声

 特別支援学校高等部は、学校教育法第82条において準用する第84条の規定によって、通信教育(通信による教育)をおこなうことができます。この法律に基づいて、特別支援学校高等部の通信教育についての規定が、学校教育法施行規則第134条と特別支援学校高等部学習指導要領第1章第2節第6款の5にあります。しかし法規はあるものの、特別支援学校高等部の通信教育についての実施事例の報告などは見当たりません。 特別支援学校高等部学習指導要領第1章第2節第6款の5は、「療養中の生徒及び障害のため通学して教育を受けることが困難な生徒について、各教科・科目の一部を通信により教育を行う場合」の規定です。これに対して高校の通信教育は、おもに経済的な理由のために通学が困難な勤労青年および成人のためのものですから、両者では、その目的が異なっています。 高校の通信教育では、ちかごろ障害のある生徒が増加しているように見受...

通信教育での学びを生かした私の地域活動

2015/07/01 会員の声

 私はこれまでに事故や大病で何度も死にかけました。その度に周りの人達が私の命を救ってくださいました。49歳の時に握り拳大の悪性癌の手術、主治医に覚悟しておいてくださいと言われもうダメだと思いました。けれども家族や周りの人達が支えてくれたお蔭で何とか生き返りました。それまでの自分勝手な生き方を反省し、何か人の役に立つことをしたい、もう一度大学の通信教育で学び直したいと思いました。 放送大学の通信教育で4年間「生活と福祉」、2年間「発達と教育」を学びました。 その後、佛教大学大学院通信教育で2年間「生涯教育」を学びました。 S先生の指導で修士論文「団塊世代が地域社会で果たす役割」を仕上げました。 S先生には「学縁」の大切さを教わりました。放送大学通信教育、佛教大学通信教育での学びでは苦労もありましたが楽しいことの方が多かったです。S先生や通信教育で互いに助け合った学友のTさん、Kさん達と...

通信教育学 ― 私の研究関心 ―

2014/10/09 会員の声

 通信教育の本質が通信手段によって教育をおこなう「遠隔教育」であることにあるなら、高校の通信教育が目指すべきその完成形は、通学手段によることなく通信手段によって高校教育の目的を実現することでしょう。 現行法規は、対面方式での面接指導を実施することを義務づけているため、通信制の教育の一部は通信手段でなく通学手段によることになります。それは、通信手段による教育(通信教育)を強化する方向の「規制」とは逆行するので「規制緩和」とも言えますが、通信制の教育の一部を通学手段によらなければならないと定めているのですから、通信制の教育のなかに通信手段によることのできない範囲を規定しているという意味では、通信手段による教育(通信教育)の発達を妨げる「負(マイナス)の規制」をおこなっているとも言えます。 昭和30年の文部次官通達で面接指導を義務づけたのは、利用できる通信メディアが郵便しかなかった当時とし...

研究協議会に初めて参加して

2014/01/31 会員の声

 職場の同僚のIさんから「日本通信教育学会」を紹介され、HPで見た第61回研究協議会の内容に惹かれ、入会するとともに研究協議会に初参加させてもらい、貴重な時間を過ごすことができたことを感謝しています。 最初のTさんの発表を聞いて、正直、若いのに「通信制高校のことを良く理解されてみえるなと」感心しました。Tさんをはじめ、UさんやFさんら若い方々の発表を聞かせてもらい、彼ら彼女たちから「気」みたいなものを感じとることができたことも良かったなと思います。また、以前、愛知でやっている研究会に京都から来ていただいて報告してもらったAさんに久しぶりに会えたりもしました。 皆さんと昼食を一緒にとる中で、若い方々から、通信制高校やサポート校に関心を持った経緯を聞くことができました。連絡先も交換しましたので、冬季休業中の研修として発表要旨集録をじっくり読ましてもらい、感想・質問などをさせていただけたら...

研究課題:通信制高校における教育保障

2014/01/06 会員の声

 ここ数年通信制の研究が盛んになってきたことに驚きとともに喜びを感じます。研究対象としても未開拓な部分も多く、特に近年の変化は目覚ましいにもかかわらず、その研究は緒についていないと言えます。通信制教育というと教育界では傍系に位置づけられ、主流にはなりにくい分野であることもその一因と言えるでしょう。 通信教育は教育保障という意味では極めて重要な意味を持つ制度だということが言えます。教育の均等を実現するうえで通信制の持つ役割は大きなものがあると言えるでしょう。 私の研究は、通信制高等学校での生徒の教育保障ということにあります。近年の生徒の質の変化に対応する通信制高校では、多様性に応える教育体制が必要です。高校に入学してくる生徒はニーズもモチベーションもバックボーンも様々です。こうした生徒への指導をいかに高め、学習の質を保証しながら、教育基本法に謳われている人格の完成を目指した教育を行うこ...

サポート校への新たなまなざし

2013/10/16 会員の声

 近年、通信制高校卒業生が増加している。『学校基本調査』(文部科学省, 2012)によれば、特に私立通信制高校卒業生の増加傾向が顕著である。さらに同調査は、今や通信制高校に通う生徒のうち約7割が10代であり、卒業生の約8割が私立出身だということを明らかにしている。これらの事実を考慮すれば、近年では私立通信制高校に対するニーズの高騰と、生徒層の若年化という現象が同時に生じていると指摘できる。では、これらの現象が生じる要因は一体何か。その一因として挙げられるのが、サポート校の存在である。サポート校とは、私立通信制高校に在籍する生徒の「登校」ニーズを満たしながら、彼らの高校卒業資格取得支援や進路支援を行う民間教育機関である。その在校生徒には高校中退経験者が多く、サポート校には彼らの「居場所」としての役割が期待されている。従来の研究上の文脈で言えば、高校中退は「脱学校」を意味し、その経験者は「...

通信制とは何か―その目的と定義―

2013/09/30 会員の声

 通信制高校は、さまざまな事情で通学できない生徒に対して、通信手段を利用することによって、通学しなくても通学制におけると同等の量と質の教育の機会を保障する制度です。「通学できない事情」が何であっても事情を問わずに教育の機会を保障することが、「通信による教育を行う課程」(「学校教育法」第4条)と定義されている通信制の目的です。 むろん、通信手段を利用した教育それじたいに、生徒の「通学できない事情」そのものを解消する機能があるわけではありませんから、「通学できない生徒を通学させるようにすること」が、通信制の目的になることはありえません。現在の通信制には、勤労青少年だけでなく「不登校」の生徒も数多く入学していますが、そもそも、通信手段を利用して教育をおこなえば生徒の「不登校状態」が解消できる、というわけではないのです。 通信制の教育の核心は、あくまで郵便など通信手段を利用して実施する添削指...

「きっと卒業しよう・・」の決意

2013/09/02 会員の声

 命の現場で仕事をしていた頃、一つの専門家でいいのかという疑問を抱き、社会的視野の狭さにも気づき自問自答しました。そして、「大学へ行こう」と決心し通信教育の社会福祉課程に入学しました。しばらくして教科書がどっさり届き、どこから手を付けていいのか解らないまま、半年、1年が過ぎました。そこから猛ダッシュしてテキストを片っ端から読みつつ、図書館へ通いレポートを書き、試験を受けてたまに落ちて、再試験を受けたりしながら卒業にたどりつきました。「必ず卒業して国家資格を」と寝る間も惜しんでというのはオーバーですが、卒業後社会福祉士の国家資格も取得しました。でも今思い起こすと大学入学後、(福祉学部、教育学部、大学院で通信教育10年間)「何で大学に行ったのだろう、こんなにも大変な≪レポートと、試験、試験、卒論・修論に≫追いかけられて・・」夢にも出てきました。  この期間、学費は自分で拠出しようと頑張っ...

通信教育よ「ありがとう」。

2013/07/31 会員の声

通信教育よ「ありがとう」。  私が人生を楽しく過ごせるのも、学会の会員に加入できたのも通信教育との出会いからである。今の私が在るのは通信教育のお蔭だ。そういっても過言ではないと本気でそう思っている。  私は生涯学習インストラクターの認定を得るために社会通信教育を受講した。その教材の中で白石先生を知り、もっと学びたい、もっと知りたいと掻き立てられるようにして通信制大学院に突き進んだ。大学院が通信制で学べるのだからこんな感激はない。その後、修了と同時に白石先生の紹介を経て日本通信教育学会に加入させていただいた。学びを通して人と出会い、さらにその輪を広げることができた。それは今も続いている。学びが私の人生を豊かにしてくれた。  通信教育が私の学びの幅を広げてくれた。通信教育が私に自信を与えてくれた。通信教育には世代も職業も違う学習者が大勢いる。その誰もが向学心に燃えた人たちである。ボヤボヤ...